睡眠中には起きているときと同じように無意識に嚥下が起こり、口腔内に溜まった唾液などを飲み込んでいます。睡眠中は1時間あたり約4回の頻度で嚥下が起こりますが、睡眠時無呼吸症の患者さんでは1時間あたり約7回と増加し、嚥下の失敗も増加します。
睡眠時無呼吸による吸気努力の増加や加齢による筋力の低下によって喉頭の位置は下方へ変化します。喉頭位置の下方変化によって嚥下の失敗が増加し、誤嚥につながると考えられています。
睡眠時無呼吸症の患者さんは肺炎のリスクが高くかつ嚥下機能の異常を示すことから、睡眠時無呼吸と誤嚥性肺炎との関連が疑われています。睡眠中の誤嚥は睡眠時無呼吸の早期治療や、口腔周囲筋を鍛えることによって防止できる可能性があります。
閉塞性睡眠時無呼吸なし 日本人20名 |
閉塞性睡眠時無呼吸あり 日本人60名 |
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睡眠中の嚥下頻度 | 4.1(回/時) | 6.6(回/時) |
嚥下失敗率 | 28.6(%) | 35.8(%) |
Akane Kohno. Sleep. 2022. 改